~はじめに~心豊かな毎日のための「聞こえ」の支え

年を重ねるごとに耳が遠くなることは、単に音が小さくなるだけのことではありません。ご家族との楽しい会話が減ってしまったり、外に出るのが少し億劫になってしまったりと、日々の暮らしの充実に深く関わっています。
その聞こえを補う「補聴器」は、単に音を大きくする道具ではなく、周りの方々と心を通わせるためのかけがえのない絆となります。
しかし、補聴器は一人ひとりの耳の形や聞こえ方、さらには生活環境に合わせて細かく調整を重ねてこそ、本当の力を発揮する精密な機械です。
この調整を担うのが、補聴器専門店にいる知識豊かな専門家たちです。本記事では、皆様の聞こえの相談に寄り添う専門家のことや、安心して相談できるお店の仕組みを分かりやすくお伝えいたします。
補聴器の調整を極めた「認定補聴器技能者」

補聴器の販売や調整において、確かな知識と優れた技術を持っていると認められた専門家が「認定補聴器技能者」です。この資格を持つ方は、補聴器を単なる商品としてではなく、皆様の生活を支える大切な体の一部として、真心を込めて扱います。
長い年月をかけた学びと技術の習得
この資格を得るためには、少なくとも四年にわたる長い修行期間が必要です。
基礎を学ぶ時期
耳の仕組みや音の伝わり方、法律や決まり事を深く学びます。
実践を積む時期
耳の形を精密に型取る技術や、聞こえの状態を正しく測る方法、そして補聴器が正しく動いているかを確認する技を磨きます。
心を寄り添わせる時期
お困りごとに合わせた音の調整方法や、難聴を抱える方の不安を和らげるためのお手伝いについて研鑽を積みます。
このように、四年間かけてじっくりと知識と技術を蓄えた方だけが、試験を経て認定を受けることができます。
常に最新の知識で皆様を支えるために
この資格には五年の期限があり、期限が来るたびに新しい知識を取り入れる講習を受け、更新の手続きを行うことが義務付けられています。これは、日進月歩で進化する補聴器の技術や、新しい医療のあり方に常に対応し続けるためです。
一度資格を取って終わりではなく、生涯にわたって学び続ける姿勢が、皆様からの信頼に繋がっています。
言葉と聞こえを支える「言語聴覚士」

「言語聴覚士」は、お話しすることや聞くこと、そして食べることの不自由さを抱える方を支える、国が認めた専門家です。補聴器専門店で働く言語聴覚士は、医学的な視点や機能回復の考え方を活かして、皆様の聞こえを総合的に支えます。
暮らし全体を見渡す広い専門性
言語聴覚士は、大学や専門学校で体の仕組みや心の動きを学び、国の試験に合格した方々です。耳のことだけでなく、言葉の意味を理解する脳の働きや、お話しするための仕組みにも精通しています。
補聴器を使い始めたとき、「音は聞こえるけれど、何を言っているか分かりにくい」と感じることがあります。
言語聴覚士は、単に音を大きくするだけでなく、「言葉がしっかりと伝わる」ようにすること、そして「円滑にお話しができる」ようにすることを大切に考えています。
音に慣れるためのお手伝い
補聴器を使い始めたばかりの頃は、今まで聞こえていなかった音がうるさく感じたり、自分の声が響いて聞こえたりすることもあります。これは新しい音に脳が慣れていく過程です 3。言語聴覚士は、この過程を優しく見守り、少しずつ音量を上げていく調整や、日々の暮らしの中での聞き取りの工夫を助言いたします 15。
確かな調整を行うための大切な手順

補聴器の力を引き出すためには、有資格者による丁寧な「音の合わせ込み」が欠かせません。
声の聞き取りやすさを正しく測る
まずは、どのくらいの小さな音が聞こえるかを測るだけでなく、「言葉をどれだけ正しく聞き取れるか」を確認する検査を重視します。
音の高さごとの検査
高い音から低い音まで、どの程度聞こえているかを確認します。
言葉の聞き取り検査
日常の会話で使われる言葉が、どのくらいの音量であれば正確に聞き取れるかを測ります。
うるさく感じる限界の検査
大きな音が不快にならないよう、補聴器が出せる最大の音の範囲を慎重に決めます。
これらの結果をもとに、認定補聴器技能者や言語聴覚士が、皆様にとって最も心地よく、言葉がはっきりと届く音の設定を見つけ出します。
実際に使ってみながらの微調整
お店での調整は始まりに過ぎません。ご自宅やいつもの場所で実際に使ってみて、その感想を伺いながら、数週間から数ヶ月かけて少しずつ調整を繰り返します。皆様の「使い心地」を何よりも大切に、じっくりと時間をかけて最適な設定を作り上げていきます。
安心して相談できる「認定補聴器専門店」

数ある補聴器販売店の中でも、厳しい審査を通り、特別な設備を整えたお店が「認定補聴器専門店」として認められます。
安心をお届けするための厳格な基準
認定店として登録されるためには、以下のような高い基準をすべて満たす必要があります。
専門家がいつもいること
認定補聴器技能者が常に在籍し、責任を持って皆様の対応にあたっています。
優れた設備があること
周りの音を遮って正確に聞こえを測れる「防音室」や、補聴器の性能を測る専用の機械を備えています。
プライバシーへの配慮
聞こえの悩みはとても個人的なものです。安心してゆっくりお話しいただけるよう、相談の場所も整えられています。
お医者様との密な連携
耳鼻咽喉科の専門医と、いつでも相談できる協力体制を築いています。
認定店を選んでいただくことは、高度な知識を持つ専門家と、それを支える確かな環境に守られることに他なりません。
お医者様との二人三脚で守る安全

補聴器を検討する際に、最も大切なのは耳鼻咽喉科のお医者様、特に「補聴器相談医」の診断を受けることです。
補聴器相談医による診断
お医者様は、耳の不自由さが治療で治るものなのか、あるいは補聴器が必要なものなのかを医学的に見極めます。もし耳の病気が隠れていれば、まずはその治療を優先することができます。
補聴器が必要だと判断された場合、お医者様は「診療情報提供書」という大切な書類を作成します。これは、お医者様から認定補聴器技能者へ向けた「この方にはこのような点に注意して補聴器を選んでください」という、言わば「聞こえの処方箋」です。
経済的なご負担を減らすためのお手伝い
お医者様の指示に基づき、認定補聴器専門店で補聴器を購入された場合、その費用が「医療費控除」の対象として認められることがあります。これは、補聴器が健康を守るために必要なものとして認められるからであり、高額な購入費用のご負担を少しでも軽くするための大切な制度です。
心の通い合いを大切にする取り組み
補聴器の専門家は、単に機械を売る人ではありません。皆様が再び「聞こえる喜び」を感じ、自信を持って毎日を過ごせるよう、心に寄り添うお手伝いをしています。
「お孫さんの声を聞きたい」「趣味の集まりを楽しみたい」といった、皆様一人ひとりの願いを丁寧にお伺いします。どのような場面で困っていて、どのような暮らしをしたいかを共有することで、最適な補聴器の種類や音の強さが決まります。
また、ご家族に対しても、難聴の性質や、どのように声をかければ伝わりやすいかといった助言も行います。周りの方々の理解が深まることで、生活の中での会話はもっと楽しく、温かいものに変わっていきます。
地域に根ざした聞こえの相談窓口~岩永補聴器小倉店~

長年皆様の聞こえを支え続けている北九州市にある「岩永補聴器 小倉店」も、こうした専門家たちが活躍する認定補聴器専門店です。
お店での真心込めた対応
お店には認定補聴器技能者が常駐しており、女性の職員も在籍しています。明るく開放的な店内で、お一人おひとりの不安やご要望を丁寧にお伺いしています。
オーティコン、ワイデックス、ベルトーン、コルチトーンといった世界中の優れた製造元の補聴器を数多く取り揃えており、最新の機器を実際に使い、その良さを実感してから選んでいただける「貸出」も行っています。
お店に来られない方への「無料訪問」
足腰が不自由な方や、入院中の方のために、専門家がご自宅や施設にお伺いする「無料訪問サービス」に力を入れているのも大きな特徴です。
北九州市内だけでなく、行橋市、豊前市、みやこ町、苅田町など、広い地域を対象に、お店と同じ精密な機械を持ってお伺いしています。ご自宅のいつもの環境で音の調整を行うことで、より生活に馴染む設定を見つけることができます。
~おわりに~専門家と共に歩む「聞こえ」の未来

補聴器は、手に入れたその日が終わりではなく、そこからが新しい生活の始まりです。四年にわたる厳しい学びを修めた認定補聴器技能者や、言葉と聞こえの専門家である言語聴覚士は、皆様の人生を豊かにするための伴走者です。
認定店という安心の場所で、お医者様とも連携しながら、正しい技術で整えられた補聴器は、必ずや皆様の毎日を明るく照らす光となります。聞こえの不安を感じられたら、どうぞお一人で悩まず、信頼できる専門家へ気軽にお声をかけてみてください。
もう一度、大切な方の声や四季折々の音を、心ゆくまで楽しんでいただけるよう願っています。