企業が顧客に安心してサービスを受けてもらうために、コンプライアンスは重要です。法律や社内の規定、マニュアル、企業倫理などのルールを順守することを指し、近年はこのコンプライアンスの強化がより求められるようになっています。
コンプライアンス違反による企業への影響
コンプライアンスが重視されている背景には、消費者や顧客、株主に対して企業の情報が届きやすくなったことがあります。違反を犯した企業については、以前からテレビでは報道されていました。これに加えて、インターネットの使用が主流になった現代では、WEB上のニュースやSNSなどからも企業の情報が分かるようになりました。より多くの消費者や顧客、株主に対して情報が伝わりやすくなったことから、企業の不祥事が表に出やすくなっています。このため、コンプライアンス違反が原因で企業の存続にも影響する事例が増えています。
影響の例としては、消費者や顧客が企業に対する信用をなくし、消費者離れや顧客離れの可能性が挙げられます。消費者離れや顧客離れによって収益が減少すると、経営を維持することが困難になり、倒産のリスクも高まります。このような事態を防ぐために、よりコンプライアンスを強化することが重要視されています。
知らない間に違反が起こることも
コンプライアンス違反の例としては、偽装や粉飾決算、脱税、横領、個人情報の流出、賭博などが挙げられます。しかし、これらは実際に起こった時に気付くことができる、または悪意があって起こされるものの例です。経営者をはじめ、企業に属する誰もが気付かないうちにコンプライアンス違反を犯す可能性も皆無ではありません。一例として、反社会的勢力との接触が挙げられます。
反社会的勢力と取引をすることは「暴力団排除条例」によって禁じられています。しかし、反社会的勢力は、身分を隠して企業や従業員に接触してくることもあります。知らない間に関係を持ち、取引をしてしまえば、その時点でコンプライアンス違反にあたります。企業の信用が失墜する原因にもなるため、反社会的勢力と接触することがないように注意を払わなければなりません。対策としては、取引の前にリスクモンスターが提供しているような反社チェックのためのシステムを利用することが挙げられます。
事前に反社会的勢力であるかどうかを確認し、万が一反社会的勢力であった場合、速やかに取引を解消できる体勢を整えておくことで、コンプライアンス違反を犯すリスクは低減します。
この他にも、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントも該当します。ハラスメントと感じる境界線は人により異なるため、これまで何気なくしていた些細なことが、実はハラスメントに該当する可能性もあります。自覚のないハラスメントを防ぐためにも、企業の中で境界線を定め、コンプライアンスマニュアルとしてまとめて従業員に浸透させましょう。これによりコンプライアンスの強化を図ることができます。