飲食店に欠かせないのが業務用冷蔵庫です。業務用冷蔵庫は家庭用冷蔵庫よりも耐久性に優れ、業務利用を前提としたつくりになっています。そのため、効率よく業務を行うことができます。
皆さんは業務用冷蔵庫をはじめとした厨房機器はいつまで使いますか?ある厨房機器販売・リース業者のアンケートによると、70%の飲食店経営者が「壊れるまで」と答えました。厨房機器は高額であるため、なるべく長く使いたいということでしょう。コスト面を考えるとそれも正しい選択ですが、実はそこに大きな落とし穴があります。
まず、壊れてから買い替えるのでは業務をストップしなければならないため、その間は営業に支障が出ます。また、業務用冷蔵庫に関して言えば、古い製品を使うことにリスクがあります。具体的に言うと、食中毒のリスクです。
飲食関係従事者であれば、食中毒のリスクはよくご存じでしょう。O-157やノロウィルス、カンピロバクターなど様々な細菌やウィルスが原因となります。食中毒を防ぐためには菌をつけないことと増やさないことが重要です。菌がついてしまうことを防ぐことは難しいですが、増やさないことは簡単です。多くの場合は冷暗所、つまり冷蔵庫を適切に運用することで食中毒のリスクを大幅に下げることができます。
業務用冷蔵庫は庫内の温度をかなり厳密に調整することができます。大型のファンなどを用いて、常に一定の温度を保ち続けることで食材を守ります。庫内の温度を保つためには冷却機能だけではなく、ドアと本体の隙間を埋めるゴムパッキンも重要です。
ゴムパッキンは素材の特性上、冷蔵庫本体やほかの部品と比べると劣化や破損を起こしやすいです。このパーツが破損すると密封性が低くなり、庫外の空気が流れ込んでしまいます。これにより庫内温度が上昇すると、食中毒の原因菌が増殖します。黄色ブドウ球菌のような一部の細菌は加熱しても毒素が壊れないため、食中毒の発生リスクが高まります。
食中毒が発生すると、保健所の立ち入り検査を受ける必要があります。場合によっては営業許可取り消しのような重い処分が下されます。仮に営業停止等を免れても、事情を知る人たちは二度と店舗を利用しようとは考えないでしょう。食中毒騒ぎが原因で倒産する飲食店も少なくありません。
食中毒リスクを下げるには、定期的に業務用冷蔵庫を買い替えることが重要です。新しい製品は省エネ性能にも優れており、電気代の節約にもつながります。可能であれば新品の業務用冷蔵庫を購入することをおすすめします。もし、頻繁に買い替える資金的余裕がなければ、中古製品を使うか、リース契約を結びましょう。たとえば業務用冷蔵庫取扱業者では、格安価格で購入できるだけではなく、リース契約を結ぶことも可能です。
リース契約は新品を導入することができます。概ね4~6年程度の、比較的長期間、一定金額を支払うことで利用可能です。リース期間が終了したら買い取ることもできますが、業務用冷蔵庫の場合は別製品のリース契約を結びなおすことが多いです。